粗茶ですが

Twitter:@kbayu0516

自己中心的で我が儘な人(後)

 「ねぇ、私と話せなくなったら少しは寂しいって思う?」とお前は質問してきた。俺は少し考えて「いや、少しは寂しいよ。」と答えた。

 

少しではなく、ごくごく普通に寂しいと思ったが、ちょっと困ってほしかったから意地悪な答え方をした。こいつは少し動揺していたようだったが、それを隠すように返事していた。たまに素直じゃないところがあるのでどうしつけていこうか考えた。いや、どうやってお前を生きながらえさせていくか考えた。

 

「じゃあまた話そうな。」と言って通話終了ボタンを押した。画面の向こうのお前はきっと寂しがっているだろうなと考えながら俺は眠りについた。俺の4連休は終わった。

 

次の日仕事が終わってから通話しようとチャットを送った。すぐに通話がかかってきて、あぁ寂しかったんだろうなと察した。

 

「お疲れさま~」と寂しかったであろう気持ちを隠してお前は言った。俺は「おう、ありがと。」と返した。俺が寝るまで寝ないでという俺の我が儘に付き合ってくれるお前が愛おしくてつい「お前のそういうところ好きだわ。」と言ってしまった。お前は「は?いつももっと感謝してほしいレベルなんだけど?」と眠たそうな声で言っていた。「まぁ私は君が好きだからいいんだけど。」とお前は続けて言った。

「なんつったの?今。」と意地悪してみたが、「なんでもないよ。早く寝ようよ。私眠い。」とお前は誤魔化した。俺はしつこい人間なので「お前俺のこと好きなの?」と追撃した。

「うるさいなぁ、そうだよ。もう寝るよ。」

 

寝る前のお前はやけに素直で、俺は満足した。お前が眠くないときにちゃんと俺の気持ちを伝えよう。

 

そう心に決めていたのに。俺の気持ちは伝わることがなかった。

俺にはお前が必要だった。我が儘を唯一きいてくれる人だった。俺のダメなところも許してくれる、そんないい奴だった。

 

チャットが返ってこなくなったあの日、ログインしなくなったあの日から、今日までお前を忘れたことはない。またいつかログインしてチャット返してくれるんじゃないかと思ってしまう。それくらい突然だった。いくら新聞に小さく載っていても、それが現実だとしても信じられない。信じたくないのだ。

 

だから俺は毎日チャットを送る、「俺の我が儘に付き合って。」と。