粗茶ですが

Twitter:@kbayu0516

自己中心的で我が儘な人(前)

台風一過で暑くなった、と君は言った。私は気だるそうにそうだね、と頷いた。

 

朝から君はゲーム、私は君の作業音聞きながらベットで横になっていた。

朝からこんなにだらだらしてるのは君の仕事が休みで、私が休職中だからだ。お互い朝から暇で、惰性的にここ4日間ほど連続で朝から夜まで通話している。通話していると言っても、お互いやりたいことをしながらだから会話はたまにする程度。たまに一緒にゲームしたりするだけ。君の本名も顔も知らないし、知ってるのは君にとって私が都合の良い話し相手ということ、君の声が低いことだけだ。

あと、君は自分のことを話さないのに、私には話させる。しかも話させておいて、へぇ、そうで済ませる、自己中心的で我が儘な人だ。

 

でも、とても居心地がいいのはなんでなんだろう。

 

その理由がわからず時間だけが過ぎていく。でもこの居心地の良い通話も今日で終わってしまう。君は明日から仕事だし、私は10月から復帰だがもうほぼ復帰してるようなもんだ。帰りが遅すぎて君と話せない。だから、理由がわからずこのまま終わっていく。

 

いや、理由はわかってる。認めたくないだけだ。認めたらきっと寂しくなったときに、君にすがってしまう。たぶん君にすがったら嫌な顔をする、そんな気がする。私と君の距離は近くて遠い、ネットの友人以上現実の友人以下だ。それ以外何者でもない。そう自分に言い聞かせるしかない。

 

ただ私という人間は未練がましいので、君に「私と話せなくなったら少しは寂しいって思う?」と質問してみたかった。きっと君はすぐ「いや、別に。」と答えると知っていても質問してみたかったのだ。君と話せなくなっても寂しくならないように。

 

「ねぇ、私と話せなくなったら少しは寂しいって思う?」

 

君は少し考えてこう言った。

 

「いや、少しは寂しいよ。」

 

「ふーん、そう。」

私は予想とは違う答えに動揺しながら、それを隠しながら返事をした。君はじゃあまた話そうなと言って通話を切った。部屋が4日ぶりに静かになった。少し寂しくなった。

 

私の気持ちも知らないで、また話そうなんて。君は本当にずるい。

静かになっただけでも寂しいんだ。きっと話せなくなったらもっと寂しくなる。それにこれから寒くなる。どうしてくれるんだ。

 

君って人は本当に自己中心的で我が儘な人だ。

 そして私もまた自己中心的で我が儘な人だ。